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水木田遺跡

遺跡遠景(山形県教育委員会提供)
遺跡遠景(山形県教育委員会提供)

水木田遺跡とは(概要)

 水木田遺跡は、最上町大字月楯字水木田に所在する、縄文時代中期の大規模な遺跡です。最上町は奥羽山脈の中心部にできたカルデラという地形的特徴を持ち、周囲を神室山系の急峻な地形を成す山々に囲まれた「向町盆地」の上に成り立ちます。神室山系からは複数の支流が最上小国川へと注いでおり、本遺跡は絹出川と白川の中間地点南側、小国川右岸の河岸段丘上に位置しています。標高は186m~188m前後で、地目の大部分は水田となりますが、一部は南西宅地内にも及んでおり、昔からこの一帯は土器や石器が出土することで知られ、水田用の畦道や用水路から簡単に遺物を採集することができたそうです。

発掘調査について

 昭和53年に県営圃場整備事業(最上町中部地区)が具現化されることに先立ち、遺跡の保護・保存を目的とした緊急発掘調査が実施されることになりました。調査期間は4月17日から同年9月4日までの述べ88日間にわたり、最上町教育委員会の協力を得ながら山形県教育委員会主体で進められました。「県民参加型の発掘調査」ということで、県民であれば小学生から大人まで誰でも参加が可能となり、現地調査員の指導を受けながら多くの人々が直接発掘に携わることができたのは当時としては稀でした。

発掘調査説明会
発掘調査説明会

調査風景(山形県教育委員会提供)
調査風景(山形県教育委員会提供)

検出された遺構と遺物

 本遺跡から検出された遺構は縄文時代中期の住居跡から平安時代の竪穴式住居跡などの計33基が主に西区でまとまりをみせました。特に、縄文時代中期の住居跡は直径5.6mの円形状を成していて、床面中央よりやや東側には地床炉(床を掘りくぼめた炉)を持っています。また、遺物の散布範囲は約88000㎡と広範囲に及んでおり、土器に関しては整理箱にして約1000箱を数えるほどその量は他に類例がないほど多いことが特徴です。

土器群

 東北地方南部から中部にかけて分布する大木式土器を主体に出土し、高さ89㎝と国内最大級を誇る土器も確認されました。形状は胴長の深鉢形で、頸部から多彩な文様が施された口縁部にかけ大きく広がった形を成しています。秀麗な完形土器が多く、当時において修復可能な土器は200個体あるだろうともいわれました。

土器群出土状況1(山形県教育委員会提供)
土器群出土状況1(山形県教育委員会提供)

土器群出土状況2(山形県教育委員会提供)
土器群出土状況2(山形県教育委員会提供)

土製品

 耳栓や土製円盤が多くみられます。土偶は完形品がないものの頭部・肩部・胴部・脚部とそれなりの点数が出土しており、西ノ前遺跡(舟形町)から出土した国宝「縄文の女神」と類似する「出尻土偶」も多数含まれていました。

土偶出土状況1(山形県教育委員会提供)
土偶出土状況1(山形県教育委員会提供)

土偶出土状況2(山形県教育委員会提供)
土偶出土状況2(山形県教育委員会提供)

石器類

 ドングリ等の堅果類をすり潰す磨石(すりいし)や凹石・石皿などの礫石器類が相当多く、その他にも狩猟に用いられる石鏃(せきぞく)、動物の皮を剥いだり肉を切ったりと動植物の加工に用いられる石匙(いしさじ)等の打製石器類、伐採を目的とする磨製石斧、装飾品等が多数出土し、当時における縄文人の暮らしぶりがうかがえます。

重要文化財の指定について

子どもと土器(山形県埋蔵文化財センターより提供)
子どもと土器(山形県埋蔵文化財センターより提供)

 調査の結果、本遺跡は山形県下においても極めて大規模な縄文時代中期初頭から中葉にかけた集落跡であることが明らかになり、出土した秀麗な完形土器を含め山形県における縄文時代の歴史的空白を埋める貴重な資料となりました。平成23年6月27日には、残存状況が良好な土器88点と土製品48点、石器及び石製品194点を合わせた計330点は「この地域の様相を知る上で貴重且つ学術的価値も高い」として重要文化財に指定されました。現在は山形県立うきたむ風土記の丘考古資料館(高畠町)にて大切に保管されています。

お問い合せ先

 最上町役場 教育文化課 生涯学習室(最上町中央公民館内)
 電話 0233-43-2350 メールアドレス gakushu@town.mogami.lg.jp

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