ChangeLanguage

教育長から

志ある限り挫折なし

 

教育長 笠原 正三

 

 地球温暖化の影響が懸念される一方で、戦争や紛争がなくなりません。人間の浅はかさや身勝手さが子ども達の未来を奪いつつあります。世界各地のニュースが毎日取り上げられる中、今も戦地で怯える子ども達の姿と救いを求める眼差しに、胸が痛みます。たとえ思想や信条が違っていようとも、人間である限り、相手を受け入れる寛容さを持ち続けなければ、平和な社会は決して実現しません。

 以前鶴岡市に勤めていた頃、庄内藩のことがよく話題に上りました。18世紀後半にかけ飢饉や課役などで財政が逼迫する中、武士の風紀に乱れが生じた時期がありました。当時藩の重職にあった白井矢太夫は、「教育の振興に努めるよりほかなし」と学問所の開設を9代当主酒井忠徳に進言されたそうです。これにより、士風刷新と人材育成を目指す藩校「致道館」が創設され、鶴岡市における学びの原点となっています。

  時代の推移や流れの中で、教育は大きく変わることがありますが、一方で変わらないもの、変えてはならないものがあります。学校経営の視点から捉えるならば、「子どもに深い愛情を注ぐこと」、「常に研鑽に励む教師を育てること」、「保護者や地域より揺るぎない信頼が寄せられる学校を築くこと」は、教育の不易と捉えてきました。そして、子ども達にあっては、人生の道標となる内から湧き上がるような強い志を持ち続けることを強く願います。

  さて、令和7年度の最上町の教育が、新しい幼児や新入生を迎え、幼児施設や各学校で一斉にスタートしました。以前のことになりますが、登校班の児童と共に通学路を歩いていた際、卒園式を目前にしたある年長児から次のような言葉をかけられたことがあります。

 「4月から小学校に入ります。よろしくお願いします。」期待に胸が膨らむとは、このことだと教えられた気がしました。「みんなで、待ってるからね。」と言葉を返して手を振ると、嬉しそうに微笑んでくれた姿が、今も印象に残っています。

 これから始まる新たな生活への希望や期待に応えるべく、今年度も幼児教育、学校教育、社会教育が一体となり、確かな学力と社会力の育成、さらには挑戦による自己実現を図り、地域貢献のできる子どもの育成を令和7年度の重点に掲げ、教育目標の実現に努めてまいります。

  強い志があれば、何のために自分は学ぶのか、目的意識や進路意識も変わってきます。最上町の子ども達が瞳を輝かせ、生き生きと学び続ける教育活動の充実と展開を、教育委員会としてこれからも後押しさせていただきます。

この記事を印刷この記事を印刷

このページの記事に関するお問い合わせ

最上町役場   教育文化課   学校教育室
電話  0233-43-2053  メールアドレス 

最新の人口

人 口
7,308人
 男 
3,572人
 女 
3,736人
世帯総数
2,748世帯

R7/3/31現在

 Top