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教育長から

立志、行動、光り輝け未来を拓く最上の子

 

教育長 笠原 正三

 

 人生訓の中に、志を高くもち、世俗の垢にまみれない清らかな心で遠大な理想をもって生きる「志高清遠」という言葉があります。そこに通じるであろう、決して上手な生き方とは言えない寄り道や回り道を繰り返しながら、自分の中にある志や信念に向かって歩み続ける子どもの人生を思い描き、懸命に応援し続ける家族や教師の姿が思い起こされます。


 先日、民放のテレビ番組で日本の教育のことが取り上げられていました。国際的な検査や調査の結果から浮かび上がる日本の青少年は、「学力はあるが、夢がない」と鋭く指摘されていました。同時に、他の先進国に比べ、自尊感情がかなり低いことも強調されていました。しかしながら、この傾向は、十年や二十年前とさほど変化がありません。生活レベルの差が広がりつつあると言われる中でも、劣悪な生活や学習環境により学習が保障されず、学校に行けない子どもはここ日本にあっては見られません。
 今、手元に「過酷な世界の天使たち」(同朋社発行)という1冊の本があります。目次には、「戦禍に生きる子どもたち」「働く子どもたち」「性搾取にあう子どもたち」など、目を背けたくなるような悲惨な現実と向き合いながら必死に生きようとする世界の子どもたちの姿が、生々しいい写真と共に紹介されています。終焉の見えない戦争が続くウクライナやパレスチナ自治区ガザで暮らす多くの子どもたちの現実と重なるものがあり、心が痛みます。どのような理由があろうとも、子どもの未来を奪い、壊すことは許されてはなりません。


 さて、令和6年度の最上町の教育が、新しい幼児や新入生を迎え、一斉にスタートしました。入学式前の日曜日に、真新しいランドセルを背負い、左右を確認しながら母親と姉と3人で横断歩道を渡る微笑ましい光景を見かけました。体験入学の説明を受け、通学路を歩く練習をされたのだろうと思われます。これから始まる生活への希望と期待に応えるべく目指す最上(さいじょう)の子どもの姿の実現に向け、幼児教育、学校教育、社会教育の充実に努め、一体となって最上町の教育目標である「未来に向けて元気な町づくりを担う人づくり」を、本年度はさらに推し進めて参ります。
 少子化の加速や長引くコロナ禍の影響もあり、心身のたくましさやチャレンジ精神の欠如、表現力の乏しさ等が課題となっていますが、これらの克服が、激動する社会やこれからの時代を生き抜く力にもつながっていきます。


 かけがえのない一人ひとりの子どもにしっかりと向き合い、好奇心や発想、感動が生まれる中で、誰もが瞳を輝かせ、成長し続けるダイナミックな教育活動の展開を期待し、本年度も精一杯後押しさせていただきます。

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電話  0233-43-2053  メールアドレス 

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