最上町に住む人へのインタビュー
移住者 今橋 知幸 さん 今橋 理砂 さん(養蚕・なめこ新規研修中)
「人の温かさに触れながら養蚕となめこ栽培に挑戦中です」


豪雪だった2023年2月、何かに導かれるように茨城県から最上町へ移住された今橋知幸さんと理砂さんご夫妻。
「元々山形に大好きな旅館があって、月に1度くらい訪れていました。人の温かさに触れるたび、移住するなら山形県と考えていて、住む場所を探すために車を走らせていた時に『最も上の町』という名前が気になって来たのがきっかけです(笑)」 と、最も上を目指していきたいという思いで訪れたことを冗談まじりに教えてくれました。
根拠はないけれど、最上町に何か惹かれるものを感じたという今橋夫妻。直感的に「きのこ栽培」を生業としていきたいという思いがあり、町内できのこに携われる受け入れ農家さんを探しますが、個人で経営していくとなると設備投資に高額な資金を要することを心配され、就農が叶いませんでした。諦めようと思っていた時に、地域の方の紹介で養蚕となめこ栽培を営んでいる下山菊夫さんに出会います。
養蚕業を営む農家は県内では2軒だけ。下山さんも後継者を探しているタイミングでした。突然の話ではありましたが「養蚕にも魅力を感じつつ、本来やってみたいと思っていたきのこ栽培も学べるならやってみようか」と、一歩を踏み出しました。
酷暑の中の桑の葉の収穫や管理は想像を絶する重労働。虫が苦手だった理砂さんは、「お蚕様を育てていく過程で我が子のように可愛くなった」と言うほど、養蚕は大変だけれど神秘的で魅力的だと話してくれました。
念願のなめこも下山さん独自のやり方を受け継ぎ、さらに二人のアイデアも取り入れながら作業の効率化や観光農園など、様々なことにチャレンジしていきたいとのことです。
「仕事は大変だけれど、以前より夫婦で過ごす時間も格段に増えましたし、近所の方も家族みたいに接してくれて、地元より地元感があります」と、地域の方からの気遣いやお裾分けの野菜の量に驚きながら、二人らしい最上町での暮らしが紡がれています。