○最上町環境基本条例
平成16年6月14日
条例第17号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第6条)
第2章 環境の保全及び創造に関する施策(第7条―第14条)
第3章 環境審議会(第15条・第16条)
第4章 環境の保全及び創造に関する施策の推進体制等(第17条・第18条)
第5章 補則(第19条)
附則
私たちの最上町は、奥羽の美しい山並みに囲まれ、肥よくな田園地帯が開け、四季折々の多彩な風景が展開される豊かな自然環境を有している。
しかしながら、急速な社会経済活動の進展により、私たちの生活の利便性が高まる一方で、資源及びエネルギーが大量に消費され、廃棄物が増大し、これらは微妙な均衡の下に成り立つ自然生態系に影響を及ぼし、ひいては、すべての生物のよりどころである地球環境をも脅かすに至っている。
もとより、私たちは、良好な環境の下で健康で安全かつ快適な生活を営む権利を有するとともに、かけがえのない恵み豊かな環境を守り、育て、将来の世代に引き継いでいく責務を担っている。
このような認識の下に、私たちは、町民、事業者及び町の協働によって、この最上町が、人と自然が健全に共生し、かつ、環境への負荷の少ない持続的な発展が可能な、次世代に誇りうる町となることを目指し、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、環境の保全及び創造について、基本理念を定め、町民、事業者及び町の責務を明らかにするとともに、環境の保全及び創造に関する施策(以下「環境施策」という。)の基本となる事項を定めることにより、環境施策を総合的かつ計画的に推進し、もって、現在及び将来にわたり、町民が健康で安全かつ快適な生活を営むことのできる恵み豊かな環境を確保することを目的とする。
(1) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上、支障の原因となるおそれのあるものをいう。
(2) 地球環境の保全 人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、酸性雨、大気の汚染、野生生物の種の減少、熱帯林の減少、砂漠化その他の地球全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに、町民の健康で安全かつ快適な生活の確保に寄与するものをいう。
(3) 公害 環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下及び悪臭によって、人の健康又は生活環境に係る被害が生ずることをいう。
(基本理念)
第3条 環境の保全及び創造は、町民が健康で安全かつ快適な生活を営むことのできる健全で恵み豊かな環境を確保し、その環境を将来の世代に引き継いでいくことができるように、適切に行わなければならない。
2 環境の保全及び創造は、地域における多様な生態系が健全に維持されるよう配慮するとともに、人と自然との豊かなふれあいを保ちながら、自然との共生が確保されるよう適切に行わなければならない。
3 環境の保全及び創造は、すべての者が公平な役割分担の下に、資源の循環的な利用等を推進すること、その他の環境の保全及び創造に関する行動に自主的かつ積極的に取り組むことによって、環境への負荷の少ない持続可能な社会を構築することを旨として行わなければならない。
4 地球環境の保全は、地域の環境が地球環境と深く関わっているとの認識の下にあらゆる事業活動及び日常生活において、積極的に推進されなければならない。
(町民の責務)
第4条 町民は、前条に規定する環境の保全及び創造に関する基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、その日常生活に伴う環境への負荷の低減に自主的かつ積極的に努めるとともに、町が実施する環境施策に積極的に協力するものとする。
(事業者の責務)
第5条 事業者は、基本理念にのっとり、事業活動を行うに当たっては、公害を防止し、良好な環境を適正に保全するとともに、町が実施する環境施策に積極的に協力するものとする。
(町の責務)
第6条 町は、基本理念にのっとり、基本的かつ総合的な環境施策を策定し、実施するとともに、自らの事業活動に伴う環境への負荷の低減及び環境の保全並びに創造に率先して努めなければならない。
第2章 環境の保全及び創造に関する施策
(環境施策の基本方針)
第7条 町は、環境施策を策定し、これを実施するに当たって、基本理念にのっとり、次に掲げる事項の確保を旨として、総合的かつ計画的に行うものとする。
(1) 大気、水、土壌等の環境の自然的要素を良好な状態に保持すること。
(2) 生物の多様性の確保を図るとともに、里山、農地、水辺等における多様な自然環境を保持すること。
(3) 廃棄物の減量、資源の循環的な利用及びエネルギーの効率的利用を推進し、環境への負荷を低減すること。
(4) 人と自然の豊かなふれあいを確保するとともに、「心あたたまる人と自然の最上町」にふさわしい良好な景観の形成及び良好な景観を構成する歴史的文化的資源の保全を図り、快適な環境を保全及び創造すること。
(環境基本計画)
第8条 町長は、環境施策を総合的かつ計画的に推進するため、環境基本計画を定めなければならない。
2 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
(1) 環境の保全及び創造に関する目標及び施策の方向
(2) 前号に掲げるもののほか、環境施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
3 町長は、環境基本計画を定めるに当たっては、事業者及び町民の意見を反映することができるように必要な措置を講じなければならない。
4 町長は、環境基本計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
5 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。
(実施状況等の公表)
第9条 町長は、環境基本計画に基づき実施した施策の状況を公表するものとする。
(町の施策の策定等に当たっての配慮)
第10条 町は、施策を策定し、実施する際には、環境基本計画との整合を図り、環境の保全及び創造について配慮するものとする。
(規制の措置)
第11条 町は、公害を防止するため、公害の原因となる行為に関し、必要な規制の措置を講ずるものとする。
2 町は、自然環境の保全を図るため、自然環境の適正な保全に支障を及ぼすおそれがある行為に関し、必要な規制の措置を講ずるものとする。
3 前2項に定めるもののほか、町は、人の健康又は生活環境に係る環境の保全上の支障を防止するため、必要な規制の措置を講ずるよう努めるものとする。
(環境美化の推進及び環境保全員の設置)
第12条 町は、地域の美しい環境を保全するため、ごみの不法投棄及び散乱の防止、美観を損ねる屋外における物の保管の防止等について、必要な措置を講ずるものとする。
2 町長は、地域における不法投棄の防止、環境美化の促進及び美観の保護に資する活動を行う者として環境保全員を設置する。
(環境教育及び学習の振興等)
第13条 町は、町民、事業者及び民間の団体(以下「町民等」という。)が環境の保全及び創造について理解を深めるとともに、自主的な活動を行う意欲が増進されるよう関係機関と協力して、環境の保全及び創造に関する教育及び学習の振興並びに広報活動の充実に努めるものとする。
(地球環境保全の推進)
第14条 町は、地球環境保全に資する施策を推進するものとする。
2 町は、国、他の地方公共団体、町民等と連携し、地球環境保全に関する国際協力の推進に努めるものとする。
第3章 環境審議会
(環境審議会の設置)
第15条 町は、次に掲げる事項を審議するため、最上町環境審議会(以下「審議会」という。)を置く。
(1) 環境基本計画に関すること。
(2) 前号に掲げるもののほか、環境の保全及び創造に関する基本的な事項に関すること。
2 審議会は、委員10人以内をもって構成する。
3 委員は、次に掲げる者のうちから町長が委嘱する。
(1) 識見を有する者
(2) 町議会議員
(3) 各種団体等の代表者
(4) 前3号に掲げるもののほか、町長が必要と認める者
4 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とし、委員の再任は妨げない。
5 審議会に会長及び副会長を置き、委員の互選によって定める。審議会は、会長が招集し、会長は会議の議長となる。
(旅費及び費用弁償等の支給)
第16条 審議会委員の費用弁償については、最上町特別職の職員等の旅費、費用弁償及び実費弁償に関する条例(昭和51年最上町条例第5号)に定めるところによる。
第4章 環境の保全及び創造に関する施策の推進体制等
(推進体制の整備等)
第17条 町は、環境施策を総合的かつ計画的に推進するため、必要な体制を整備するものとする。
2 町は、町民等と協働して環境施策を推進するために必要な体制を整備するものとする。
3 町は、環境施策について、必要に応じて町民等の意見を聴くための措置を講ずるものとする。
(国、他の地方公共団体等との連携等)
第18条 町は、国、他の地方公共団体等と連携し、協力して環境施策の推進に努めるものとする。
2 町は、環境施策の推進を図るため、必要に応じて、国、他の地方公共団体等に対し、環境施策に関する提言等を行うものとする。
第5章 補則
附則
この条例は、平成16年7月1日から施行する。